社会人と会社人

学生に対して、大人を社会人と呼ぶけど、そのほとんどは会社人を指してるんじゃないかって。日本では、大人は、会社人としての側面が強く求められ過ぎているんじゃないかって、思うんですけど、どうでしょう。

 

例えば、こないだ、電車で見かけた一場面。

サラリーマン3人組が電車で帰宅していました。車内は満席。彼らは、会社の取引先同士のような感じでした。

駅に着き、彼らの目の前の席がひとつ空くと、彼らは互いに席を譲り合い始めました。

「どうぞどうぞ」

「いやいや私は。〇〇さん、ぜひ」

「私もうすぐなんで」

すると、妊婦さんが乗車してきました。その間に、彼らの中で一番年上と思われる人がしぶしぶ座りました。

彼らは3人の世界にどっぷりで、妊婦さんに気付きません。結局、反対側に座っていた学生が彼女に席を譲りました。

 内側には強くて外側には弱いコミュニティ意識をかいま見た瞬間でした。会社人としてのマインドですね。

 

僕の父親って何度か転職したりして、会社人としては成功しませんでした。うちの家族の大黒柱は母親です。30年以上、看護師としての職務を全うしています。頼もしい限りです。

ただ一方で、僕は、社会人としての父親を素直に尊敬しています。

地域の行事に参加したり、催しがなくても近所の人達を訪ねたり。都市部に暮らしていると信じられないけど、地方には地域社会がまだ残ってる。というか、うちの父親みたいな人達が残してるんだなー、とか思いました。

 

電車で席を譲ることは小さな例だけど、社会人の「社会人として果たすべき責任」みたいなものが、もっと見直されるべきなのかなーと思います。